「進化」と考えるのが正解なのか、「退化」と考えるのが適切なのかは判断に困りますが、ここ数十年での口腔内の変化は凄まじいモノが有るようなんです。
そもそも個体の変異なるモノは50年や100年で起こり得るモノではないかとは思いつつも、ここ100年のダイナミック過ぎる「食の変化」は劇的な変異をもたらしうるモノなのかもしれない・・・そう考えざるを得ない事態に遭遇することが研究者ではない臨床現場の我々にもしばしばあるんです。
某新聞紙上に載っていたようなんですが、若い女性を対象に継続的観察をしていたグループの発表として下記の様なモノが有ったようです。
● 『親知らずの先天的欠如』
私なんかは上下左右4本ともありましたけど、生まれつき無い方が確かにいらっしゃいます。最近増えて来てるように感じてます。
● 『小学校高学年に生えて来る7番目の歯の奇形や欠如』
そう言えば、今までの当院のスタッフでもお二人ほど一ヶ所だけ先天的に欠如してた(生えてこなかった)方がおりましたっけ。
私は、30年後や50年後に若い女性の口腔内を拝診する機会はないかとは思うのですが、半世紀後には「親知らずってナ~ニ?」の時代が来たりするのかもしれませんね。(汗)
咀嚼する際には、一本一本の歯に役割がありましょう。前歯には剪断の役割、臼歯には噛み砕き、すり潰し、食物の表面積を増すことで唾液との接触面積を広げ、消化の効率を良くする働きがありますよね。
それが完璧に成されない時代になり、我々人類はいったいどういった方向に向かっちゃうんでしょうかねぇ。(泣)
当たり前ですが、噛むことは生きる源ともいうべき欠かせない動物の原点。
牙をもがれた(そもそも無かった?)動物の運命は・・・・ちょっと不安が過ぎりますねぇ。
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