そりゃぁ~歯を抜くなんて言われて心穏やかに居られる方はそうはいらっしゃいませんでしょう。多くの方にとって嫌がられる話かとは思うのですが、それでも我々歯科医は勧めなくてはならなかったり致します。(泣)
考えるのは常に「最終的に残る歯を一本でも多く確保する!」ことに尽きるからであります。
日頃皆さんに接していると、例えば「親知らずを抜く」と言われれば「よくよくになって我慢出来なくなったら抜けばイイや」とお考えの方は多い様に感じるのですが、実際の問題としてはそうなってからでは大概は遅いのです。何故なら手前の歯に迷惑を掛けてしまうことがあるからなのです。(泣)
下の写真を御覧下さい。
下顎の横倒しになってる親知らずはそう珍しいモノではありません。私自身が両方ともそうでしたし、むしろまったく異常ないほどに直立してる方のほうが珍しいのが現状でもあります。
この方の親知らずの右隣、つまりは手前の歯の矢印指示部を御覧下さい。ナンだか凹みがあるようにお感じになりませんでしょうか?
もしこの方が、早期に適切に歯科医のアドバイスに従って抜歯(摘出)をなさっていたら手前の歯は無傷で居られたはずです。それがこうなってしまえば手前の歯まで救いようは無くなってしまうのです。(泣)
逆に私のように歯学部在学中に先輩歯科医の助言通りに思い切って抜歯をした方は、その後何十年経っても手前の歯は異常なし。どうせ横倒しの親知らずはナンの役にも立っていなかったので結果的には咬合は維持され今に至ることが出来るようになるのです。
この方も、前医ではレントゲンは見せられたけど詳しい説明は無かったと仰ってました。いずれ親知らずと手前の歯は両方とも抜歯を余儀なくされることになろうかと思います。(泣)
その事がこの方に及ぼす生涯に渡る大きなダメージ(咬合崩壊の第一歩)を思う時、やはり嫌がられても親知らずの抜歯を勧めなくてはならないと考えたり致します。
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