天文学とか地球物理学とか難しい話は解りませんが、お彼岸の頃、すなわちは秋分の日付近は ちょうど地球を貫く地軸が太陽を中心にして回る公転軌道平面に対してほぼ直角なんですよね・・・・?
北極点を含む北半球が太陽に向かって傾いてる時期が夏側(春分の日から秋分の日)で、逆に太陽から仰け反った方に傾いてる時期が冬側(秋分の日から春分の日)と認識しておりますが間違っては居なかったでしょうか・・・・?(汗)
そう思うと、一年の4分の3を過ぎる今頃はもう冬側となり、太陽の南中高度が下がるが故に次第に陽射しは低くなり、座敷の奥の方まで日が射し込む季節を迎えるようになるってワケではないかと。
そんな「秋」の始まり、道行く人は秋の装いに変わり、山々は紅く染められて行くんですよね。
この季節、患者さんと接していると面白いことがあります。
朝夕の寒さ故にかスウェット地の暖かそうな服装の方もいらっしゃれば、「まだまだ俺は頑張るぞ!」的な半袖半ズボンの男性もいらっしゃいます。(笑)
かく言う私自身も、一年を通じて真冬でも半袖で仕事をしてるのですから人のことは言えないのですが。
様々な価値観をお持ちの皆さんと接していると、人を相手に仕事をしてる接客業の面白さを感じずには居られません。(笑)
昨日、当院でのお付き合いが18年ぐらいになる昭和6年生まれのKさんがいらっしゃいました。82歳の女性であります。
Kさん ・・・ 「あたしも先生のとこ長いよね?」
私 ・・・・・・ 「はい、御陰様で私もまもなく開院して20年になるんですよ。
当時は私も髪がフサフサだったんですけどねぇ。
随分と変わりましたよ。」
Kさん ・・・ 「だよね、あの頃はあたしもこんなじゃなかった・・・」
(Kさんは今では半身不随、歩行がやっと)
私 ・・・・・・ 「残念ながら歳月はそれなりに人を変えますねぇ~」
Kさん ・・・ 「でも、先生は変わんないねぇ。相変わらず美男子だ!(笑)」
私 ・・・・・・ 「ありがとうございます。
そんな風に仰って下さるのはKさんぐらいですよ。(笑)」
この美男子を「びだんし」と発音するところが、ナ~ンか素敵です。
かつては颯爽とした装いをなさっていた方が、今では杖無しには歩行も困難でいらっしゃる・・・。そりゃぁ10年だって「ひと昔」なんですから20年近い歳月は確実に人を変貌させていきますよねぇ。
日本に住まう人であれば、万人が平等に迎える秋という季節。
ナンとなく上りっ調子の春とは異なり、下ると言うのか 人生における終末期を連想させるようなもの悲しさを覚えるのは私だけではありませんでしょう。
思うように行かない「身の周り」でありましょう。
「気持ちは若いつもりナンだけど、身体が言う事をきかないのよ」と笑い嘆くKさん。
諸行無常・・・すべての事は止まることを知らずに変わりゆきますね。
お帰りになる際に、その背に向けて「お元気で!」とこちらも独りごちることが多くなりました。
当院における深まり行く秋のひとコマであります。
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